“フリーアドレスはもう古い“ なぜフリーアドレス制は上手くいかなかったのか(第1回)

 近年、働き方改革の流れにのってフリーアドレス制を導入する企業も増えているが、思ったような成果が上がったという声はあまり聞こえてきません。何が良くて何が悪いのか、今回は、欧米では次々と導入が進んでいる、働き方を根本から変えるであろう「ABW」を2回に渡ってご紹介します。

フリーアドレスのメリット・デメリット

 2年ほど前、我が社もフリーアドレス制の導入に踏み切りました。理由は2つ、一つは事務所の整理整頓によるキレイなオフィスにするため、もう一つは事務所スペースの有効活用にありました。(今後のテレワーク導入に繋げるためという隠れた理由もありました)
導入に際して行なったことは、「社員のパソコンをノート型に変更」、「無線LAN環境を整備」、「ありとあらゆる紙の書類をスキャンしてデータ化し整理」、「不要な書類や書籍・文房具など、私物も含めて大幅に処分」これらを実施したことで、事務所が整理されて見違えるようキレイになりました。
結果、目的に関しては、想定どおりの成果を挙げることができて、職場環境が大幅に改善したことにより、社員の職場に対する満足度も大きく向上しました。また、各種書類の管理がしやすくなったり、結果、業務効率が向上するなど目的以上の成果もあって、大きなメリットが生まれました。
このように、フリーアドレスを導入して実際に働いてみて、改めて見えてきたメリットも数多くありました。

 そのメリットですが、最初に感じたのは当初の目的でもあった整理整頓の意識が全社員に芽生え、事務所がいつもキレイに保たれたこと。さらに毎日座る場所を変えることで、普段はあまり話すことのない別部署の人と会話が生まれたり、普段は聞こえてこない仕事の会話を耳にすることで、会社全体のコミュニケーションは活発化でき情報共有が活性化されたことなどが、大きなメリットでした。
しかし、逆にやってみて分かったフリーアドレスの欠点も、いくつかあります。

 まず、自社が行なうペーパレス化の取り組みに対して、社外の取引先の仕組みがついてきていなかったことです。極力ペーパーを無くそうと思っても、商品のカタログ・仕様書や説明書、契約書類など、まだまだ紙文化は根強く残っており、これらはしばらく続くことが考えられますが、紙を残さない想定でオフィス環境を整備してしまったため、余剰のモノを置くスペースに困るという問題が起きています。
また、自部署のメンバーがいつも近くに在席しているわけではないため、小さなことでもコミュニケーションを図るためには移動して個別で話しかけるか、全員を集めたミーティング、もしくはメールという方法しかなく、従来の部署単位の席であれば自然に会話が耳に入ってくるような情報などが極端に減ってしまいました。
また、「フリーアドレスにして必要な席数を70%程度に減らす」というトレンドもありましたが、これはテレワークを併用したり、執務席以外でも仕事ができるようにという施策を伴った場合にできることだということを、多くの企業が気づかずに席数を減らすことだけやってしまい失敗を繰り返しています。
その他、フリーアドレス制のいくつかの課題も見つかっていますが、各導入企業から多く聞こえてくる意見の中には、「コスト削減重視目的が色濃く出すぎて、実際に働いている社員にメリットが感じられなかったことが大きいのでは」という内容もありました。今後、社員のメリットを増やしていく“人重視”であることを、社員自身が受け止められるよう、さらに働き方を向上させるためにどうすれば良いかを近年の最新トレンドである 『ABW』 の創始者であるオランダのコンサルティング会社のマネジャーコメントから推察したいと思います。

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